サロンを始める前、私はずっと迷っていました。
1日に何人のお客様を受け入れるか。
ビジネスとして考えれば、多い方がいい。その答えは明らかでした。
でも、どうしても踏み切れなかった。
前職でリラクゼーションサロンに勤めていたとき、1日に何人もの方を施術することがありました。
全力でやっていました。でも、お客様が帰られた後に、ふと思うことがあったんです。
「この方の、今日の本当の疲れに、ちゃんと届けられたかな。」
私のドライヘッドスパは、強く揉んで「ほぐす」施術ではありません。
ゆっくり触れて、相手の身体が「安心していい」と感じるまで、待つような施術です。
だから、焦っていると届かない。
施術者の側に「次の方が待っている」という意識があるだけで、手から伝わるものが変わる気がしていました。
それは証明できないけれど、感覚として確かにある。
Salon Naruを開くとき、決めたことがあります。
1日に来てくださる方の数を、最大2名にする。
それだけ。でも、これが一番大切なことでした。
2名にすることで、午前に1名、午後に1名。
それぞれの方に、その日その人のための時間を、丸ごと使えます。
「次の方が来る」という気持ちが、私の中にまったくない状態で、施術に入れます。
もちろん、売上の面では不利です。
それは最初からわかっていました。
でも、それでもいいと思えた理由があります。
来てくださる方は、「ただのリラクゼーション」を求めているわけじゃない、と感じていたからです。
眠れない。休んでいるのに休めない。頭が重いまま一日が終わる。
そういう方が、「もう限界かもしれない」というタイミングで来てくださることが多い。
そういう方に、「はい次の方どうぞ」みたいな施術はしたくなかった。
1日2名限定にしてから、気づいたことがあります。
施術中に、以前より深く眠られる方が増えた気がしています。
それが本当に2名限定のおかげなのか、正直わかりません。
でも、私自身が焦っていない状態で触れるということは、何かを変えていると思っています。
身体は正直で、手から伝わるものがあると、私は信じています。
Salon Naruに来てくださる方に、いつも思うことがあります。
「今日、この方が来てくださってよかった。」
それは、1日に2名だから感じられることかもしれません。
もっと多くの方に来ていただければ、もっとたくさんの「よかった」が生まれるかもしれない。
でも、それよりも、今日来てくださったお二人に、全部を届けたい。
それが、Salon Naruの答えです。
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